技術・人文知識・国際業務の注意点

日本で一般的に就労ビザと呼ばれることも多い在留資格ですが、実は「就労ビザ」という名前の在留資格はありません。

就労することができる在留資格にはいくつか種類があります。

今回ご紹介する「技術・人文知識・国際業務」もそのうちの一つです。

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目次

  1. 技術・人文知識・国際業務はどんなビザ?
  2. こんなケースは不許可です!不許可の実例
  3. 事例1:業務内容が異なると判断される場合
  4. 事例2:在留資格の規定する活動に合致しない場合
  5. 事例3:日本人と同等以上の報酬を受けない場合
  6. 事例4:学生が必要以上にアルバイトに精を出してしまった場合
  7. 事例5:外国人の雇用の必要性が認められないとき

技術・人文知識・国際業務はどんなビザ?

2015年4月の法改正で、それまで別々だった在留資格が一つになり、新たに「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が誕生しました。

とはいえ、一つになったからといって許可の要件が変わったわけではありません。

ですので、この在留資格で就労できる職業は以下のとおりです。

業務の内容としては、経理や金融、会計業務などが該当する「人文知識」と翻訳や通訳、語学の指導やデザインそれに海外取引等を含む「国際業務」そして学歴や実務経験が要求されるエンジニア等の「技術」に分かれています。

このような業務での外国人雇用がこの在留資格に該当します。

ビジネスマン

こんなケースは不許可です!不許可の実例

どのような業務が技術・人文知識・国際業務のビザに該当するのかについては上記のとおりです。

それでは、実際に不許可になる例についてお話しします。

このビザに関しては、学校での履修科目や実務経験が、新しく従事しようとする業務の内容に該当していることが必要となります。

ですので、業務の内容が履修科目や経験に関連がないとみられる場合は不許可になります。

事例1:業務内容が異なると判断される場合

経済学部を卒業した者から,会計事務所との契約に基づき,会計事務に従事
するとして申請があったが,当該事務所の所在地には会計事務所ではなく料理店があったことから,そのことについて説明を求めたものの,明確な説明がなされなかったため,当該事務所が実態のあるものとは認められず,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動を行うものとは認められないことから不許可となったもの。

そして、技術・人文知識・国際業務のビザは、人文科学の分野に属する知識を要する業務や外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務、そして一定水準以上の理科系の業務に関することを求められます。

事例2:在留資格の規定する活動に合致しない場合

教育学部を卒業した者から,弁当の製造・販売業務を行っている企業との契
約に基づき現場作業員として採用され,弁当加工工場において弁当の箱詰め作業に従事するとして申請があったが,当該業務は人文科学の分野に属する知識を必要とするものとは認められず,「技術・人文知識・国際業務」の該当性が認められないため不許可となったもの。

事例2の場合は、従事する予定の業務が単純作業としてみなされ、不許可になった事例です。

また、外国人の給与に関しても注意が必要です。

日本人が従事する場合に受ける報酬と同等の額もしくはそれ以上の報酬を受けることが必要と規定されていますので、外国人は日本人より安く雇用できるということではありません。

事例3:日本人と同等以上の報酬を受けない場合

工学部を卒業した者から,コンピューター関連サービスを業務内容とする企
業との契約に基づき,月額13万5千円の報酬を受けて,エンジニア業務に従事するとして申請があったが,申請人と同時に採用され,同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額18万円であることが判明したことから,報酬について日本人と同等額以上であると認められず不許可となったもの。

このケースでは、報酬の金額が不当に低いことで申請が不許可になってしまったという事例です。

また在留資格の許可に関して、日本での在留中の素行が悪い場合は不許可になることも考えられます。

事例4:学生が必要以上にアルバイトに精を出してしまった場合

商学部を卒業した者から,貿易業務・海外業務を行っている企業との契約に
基づき,海外取引業務に従事するとして申請があったが,申請人は「留学」の在留資格で在留中,1年以上継続して月200時間以上アルバイトとして稼働していたことが今次申請において明らかとなり,資格外活動許可の範囲を大きく超えて稼働していたことから,その在留状況が良好であるとは認められず,不許可となったもの。

事例4のケースでは、業務の内容と履修科目には関連性は認められますが、留学の在留資格で滞在している間に本来の学生の活動以外にアルバイトをしすぎたことが問題となります。

留学のビザでは原則学業を主な活動内容として規定されていますので、アルバイトに夢中になりすぎるのも注意が必要です。

最後になりますが、外国人を雇用するにはそれだけの必要性を説明する必要があります。

事例5:外国人の雇用の必要性が認められないとき

本国で日本語学を専攻して大学を卒業した者が,本邦の旅館において,外国人宿泊客の通訳業務を行うとして申請があったが,当該旅館の外国人宿泊客の大半が使用する言語は申請人の母国語と異なっており,申請人が母国語を用いて行う業務に十分な業務量があるとは認められないことから不許可となったもの。

この場合は例えばベトナム人の申請人が、欧米人が主な客であるホテルや旅館で働こうとする場合などが考えられます。

母国語をメインで利用しないのであれば、許可の可能性は低くなります。

TOEICのスコアなどで英語力を証明することはできますが、母国語ではない場合は不許可になる可能性が高いと言えます。

今回は技術・人文知識・国際業務の在留資格を申請する際に注意しなければならない点について簡単に説明しました。

不許可事例は法務省のホームページで公表さえていますのでそちらをご参考になさってください。

要件を満たしたうえでやはり不安になる点は多いと思います。

このような場合、専門家にまずはご相談することをお勧めいたします。